白蓮の弟、命蓮は伝説の僧侶であった。
軽々と鉢を飛ばしたかと思うと、
その鉢でごうつくばりな長者の倉を持っていったり、
離れた場所にいる人間の病気を治したりしていた。

白蓮は、年老いてからその弟に法力を学んだ。
普段は命蓮の法力が詰まった飛倉（とびくら）に暮らし、自然と力を身に付けた。

しかし、命蓮は白蓮よりも早く亡くなってしまった。
嘆き悲しんだ白蓮は、死を極端に怖れるようになった。
まず、自分が死なない為に若返りの力を手に入れた。
それは法術と言うより妖術、魔術の類であった。


若返りを自分の物にし、寿命が亡くなった彼女が次に怖れたのはその力が失われる事だった。

妖術が失われる事、それは人間が完全に妖術を排除する事に他ならない。
つまり、妖怪が居なくなってしまったら、自分の力も維持できなくなるのだ。
彼女は妖怪を敬った。
表では妖怪退治を依頼されても、裏では妖怪を助けていた。

彼女は妖怪を敬ったが、それは人間と敵対する為ではない。
最初は自分の欲の為であったが、妖怪達の不憫な過去を知り次第に
力にならないといけないと思うようになったのだ。


突然現れた若い僧侶。
若さと法力を手に入れた彼女は、人間の人気者であった。
「白蓮が居れば、もう妖怪は怖くない。
　夜に怯えて暮す必要なんか無い」
と。

そして、彼女の思いと人間達の期待とのギャップが、悲劇を生んだ。
「彼奴は人間の面をした悪魔である」と。
彼女は魔界に封印され、二度と人前に出てくる事は無かった。

「東方星蓮船」より

仏法を極めた事で身に付けた物。
肉体強化形であり、呪文を唱えれば拳は鋼鉄よりも硬くなり、五感が研ぎ澄まされ
八卦炉の中でも平気な肉体を持つ事が出来る。
通常時は非力な人間と同じ状態。
長い寿命も、歳を負わない肉体も全て魔法による物。

「求聞口授」より

白蓮が手にしている巻物。
魔界に封印されていた頃に（暇だから）作成した物。
紙ではなく能力を使うための呪文だけで構成されている。
巻物自体が意思を持っており、本人以外は使用できない。

紙の巻物に比べ軽く、内容量はほぼ無限。しかも経年劣化がなく
振りかざしただけで唱えた事になるオート読経モードが搭載されているらしい。

「求聞口授」より

無限の広さを持つ魔界の一部であり、白蓮が封印されていた場所。
生き物が住むのには適さないが一部の妖怪にとっては修行の場であり、
また人間は魔法を習得できる。

聖輦船無しでは行き来出来ない（？）。

過去作品における魔界との関連は不明

白蓮の封印を解くために、また法界に行くために必要なもの。飛宝とも呼ばれる。
一輪・村紗達が回収を急いでいた。

一部の者には円盤形の物体に見えている。

空を飛ぶ穀倉。命蓮の法力が込められている。
触れるだけで空を飛べ、また身体能力を上げるとされる。

数百年もの間、地底に妖怪達と共に封じられていたが突然の間欠泉により開放された。
その際、飛倉は破片となり地上に散らばった。

今回の騒動の後に人里近くの空き地に建てられた寺（聖輦船が着陸し、改装されたもの）。
名は白蓮の弟の名から。

基本妖怪の為の寺だが、人間も拒むことなく受け入れる
（ただし宝船に乗っていたであろう宝目当ての人間は門前払い）。
信仰は順調に集まっているらしい。

建立の真の目的は、とある人物の復活を阻止するため（結果的に失敗するが）。