Stage 1
蛍火の行方
蛍の灯りはいつもより激しく見えたのは気の所為か。
今宵は永い夜になるだろう。
BGM. 幻視の夜 〜 Ghostly Eyes
闇に蠢く光の蟲 リグル・ナイトバグ Wriggle Nightbug 種族:妖蟲 能力:蟲を操る程度の能力 |
霊夢 ほら何も無いじゃないの! |
紫 まだ、夜は始まったばっかよ。 焦らないの。 |
霊夢
焦って私を連れ出しておいて 焦らないも何も無いでしょ? |
報酬は高く付くから覚えときなさい。 |
? って、さっきから何も無いって…… 私が居たでしょ! |
闇に蠢く光の蟲 リグル・ナイトバグ Wriggle Nightbug |
紫 心配しなくても…… |
報酬は払うわよ。 あなたじゃあるまいし。 |
リグル ちょっとちょっとちょっと。 |
私を無視するとはいい度胸だわ。 |
それなりの覚悟が出来てるんでしょうね! |
霊夢 洒落かしら? |
紫 洒落なの? |
霊夢
そう言えば、夜に出歩くのに 大事な物置いて来ちゃった。神社に。 |
リグル ? |
紫 あなたの言いたい事は判ったわ。 蚊取り線香でしょ? |
リグル 蛍だってば! |
BGM. 蠢々秋月 〜 Mooned Insect |
紫 ほんと、夜は虫が多くて嫌よねぇ。 |
霊夢 夜しか起きていない奴が何を言うのよ。 |
紫 ええ、夜の方が自然が豊かってことよ。 |
霊夢
最近、蛍も増えたわね…… 何だか外の世界がちょっと心配だわ。 |
紫 判ってるじゃないの。 でも、心配するなんてあなたらしくないわ。 |
Stage 2
人間の消える道
人間の通り道も、真夜中に出歩くものは獣か妖怪位。
少なくとも人の姿が見える筈も無い。
BGM. 夜雀の歌声 〜 Night Bird
夜雀の怪 ミスティア・ローレライ Mystia Lorelei 種族:夜雀 能力:歌で人を狂わす程度の能力 |
? ちょ、ちょっと待って〜! |
霊夢 何? |
? 久しぶりのヒトネギだと思ったのに。 |
夜雀の怪 ミスティア・ローレライ Mystia Lorelei |
ミスティア あんた達、一体何者なのよ〜? |
紫 ん、人間以外。 |
ミスティア 人間以外? |
霊夢 まぁ、人間以外でもなんでもいいけど。 |
ミスティア 珍しいわね。この道に以外が通るなんて。 |
紫 ふーん。あなたは夜雀のようね。 |
あんまり人間ばっか襲ってると〜。 |
この辺から人間が居なくなるわよ。 |
霊夢
だからといって、人間の代わりに妖怪を 襲ったりはしないんじゃん? |
ミスティア ほっといてよ。大体、とっくに夜の道から 人間の姿は消えているし。 |
居たとしても、よっぽど急ぎか、訳ありか 人間以外だけだわ。 |
紫 いい?もう一度言うわ。 私達は、急ぎで訳ありで人間以外なの。 |
こんな所で時間を潰している暇は無いわ。 ここを通してくれる? |
霊夢
この道の先って、あんまり紫の様な妖怪が 行く場所じゃないんだけど……。 |
ミスティア 久しぶりの遊び相手なのに……。 |
そうだ、里に行って一緒に人間を からかわない? |
霊夢 ああもう、私は前から言ってるでしょ! |
紫 ? |
ミスティア ?? |
霊夢 私は鳥目じゃ無いって。 |
ミスティア あ、人間発見。 |
私が鳥目にしてあげる! |
BGM. もう歌しか聞こえない |
紫 全く、夜雀風情が。 |
羽蟲の王気取りは、絶望的に早いわ。 |
霊夢
……今の奴、本当に雀だったの? 暗くてよく見えなかったけど。 |
紫 夜の小鳥は大体夜雀よ。 |
取り扱いに気を付けないと、暗い所では 目が見えなくなってしまうわ。 |
霊夢
(……雀ってあんなだったかなぁ。 良く見えなかったけど) |
ああ、人間の里が見えてきたわ。あんたと 一緒に来たくなかったんだけどなぁ……。 |
Stage 3
歴史喰いの懐郷
一車道の先には人間達が住む小さな里がある。
だが里があるはずの場所には、何も、無かった。
BGM. 懐かしき東方の血 〜 Old World
知識と歴史の半獣 上白沢 慧音 Keine Kamishirasawa 種族:ワーハクタク 能力:歴史を食べる(隠す)程度の能力と、歴史を創る程度の能力。 |
? お前達か。 こんな真夜中に里を襲おうとする奴は。 |
霊夢
この惨状はあんたの仕業ね? 人間と人間の里を何処にやったの? |
? お前達妖怪には、人間を渡しはしない。 |
今夜を無かった事にしてやる! |
戦闘終了後 |
? あー、お前達何もんだ? |
霊夢 ちょっと、里を元に戻しなさい! |
? しつこいな。 |
霊夢 あんたなんかどうでもいいのよ。 |
ここは人間の里だった筈でしょ? |
なのに、何も無いじゃない。 人間達や家とかどうしたのよ! |
? どうもしてない。 |
知識と歴史の半獣 上白沢 慧音 Keine Kamishirasawa |
慧音 お前達には見えないようにしてやっただけだ。 |
紫 霊夢、こんな所でしっぽりしている暇は無いわ。 |
こうしている間にも月はどんどん沈んでいるの。 |
霊夢 しっぽりはしてないけど、ちょっと待って。 |
人間を里ごと消している妖怪を見逃す訳には いかない。 |
慧音 ここには、元々人間は住んでいなかった。 |
と言う風に見える様にしただけだ。 |
私が、この不吉な夜から人間を守る。 |
紫 ねぇねぇ。 |
私には普通に人間の姿が見えるんだけどさぁ。 |
この程度のまやかしなんて、全然役に立たない じゃない? |
慧音 ! |
お前達、本当に何もんだ? |
霊夢 大丈夫。私には里は見えないわ。 |
慧音 うう。そんな情けかけられても。 |
紫 それにあんた。 |
半獣なんでしょ? |
慧音 満月じゃなければ人間だ。 |
紫 人面犬とか人面岩とかと大差ないわね。 |
慧音
何で顔だけ残して変身する必要があるんだよ。 変身は全身だ。 |
紫 牛頭馬頭とか、頭だけ獣に変身。 |
慧音 ……まぁいい。 |
そこまで言うなら、もう後には引かせない。 |
BGM. プレインエイジア |
慧音 今夜は、お前達の歴史で満漢全席だ! |
紫 私はともかく、こいつの歴史は点心位に しかならないわ。 |
霊夢
うるさいなぁ。 それだけ毎日が飲茶なのよ。 |
霊夢 さぁ、人間の里を元に戻しなさい! |
紫 戻しても大丈夫よ。 元々ここの人間とあんたなんか眼中に無いわ。 |
慧音 じゃぁ、何処に行こうとしてるんだ? |
紫 あっち。 |
霊夢 こっち。 |
慧音 ……。 |
昨今の異常な月の原因を作った奴なら、 そっち。 |
霊夢 ほら言ったとおりじゃない。 |
紫 霊夢の指先と70度は違う向きね。 |
霊夢
あんたは110度違う。 ってあんた、良く私達の目的が判ったわね。 |
紫 判らない方がおかしいのよ。 |
Stage 4 Powerful
魔力を含む土の下
力強い竹の下には、さらに力強い根が張り巡らされて
いる。表面しか見れないのは愚かな人間と妖怪だけだ。
BGM.永夜の報い 〜
Imperishable Night.
普通の黒魔法少女 霧雨 魔理沙 Marisa Kirisame 種族:人間 能力:魔法を使う程度の能力 |
魔理沙 動くと撃つ! |
間違えた。 撃つと動くだ。今すぐ動く。 |
霊夢 何? 何でこんな所に魔理沙がいるの? |
普通の黒魔法少女 霧雨 魔理沙 Marisa Kirisame |
魔理沙 さぁな、私はいつも通り、迷惑な妖怪を退治 しているだけだぜ。 |
霊夢
へぇ、奇遇ね。 私も迷惑な妖怪退治をしているの。 |
魔理沙 私が言ってるのは「迷惑な妖怪」を退治だ。 お前の場合は、迷惑な「妖怪退治」だろ? |
霊夢 そうでもないわ。 |
紫 へぇ、こんな夜に、あなた一人で何が出来る かしら。 |
魔理沙 迷惑な妖怪退治だ。 |
今日の月なんてもう見飽きた。 そろそろ、明日にしてもらうぜ。 |
紫 で、迷惑な妖怪って? |
魔理沙 お前の事だよ。 また、夜と昼の境界をいじっただろ? |
霊夢
夜を止めているのは私達。 でも今はそれどころじゃないのよ! |
紫 そう。 あなたは、後ろに目が無いのかしら? |
魔理沙 あー? |
霊夢 まぁ、多分無いけど。 そういうことよ。 |
魔理沙 日本語を話せ。 ここは幻想郷だ。 |
BGM.恋色マスタースパーク |
霊夢 魔理沙に何言っても無駄ね。 |
紫 あの歪な月は危険なのに……。 |
霊夢 人間には大して害は無いの。 |
魔理沙 あー?何だか知らないけど。 夜が終らない方が害だらけだぜ。 |
妖怪は夜に人を喰う。 |
夜が続けば、喰い過ぎで妖怪は自滅する。 |
紫 する訳無いじゃない。 |
魔理沙 自滅する前に退治してやらないとな。 |
霊夢 あ、逃げた? |
紫 さぁ、地の果てまで追うのよ。 |
魔理沙 あれ、霊夢じゃないか? どうしたんだ? |
霊夢 白々しいにも程があるわ。 |
魔理沙 さっきのは紫分。 今度はお前分だ! |
霊夢
魔理沙を追っているうちに、目的地に着いた みたいね。 |
紫 ほんと、あなたって幸運ねぇ。 うちの藍にも分けてあげたいくらいだわ。 |
魔理沙 くそ。 一体、何だと言うんだ? |
紫 お陰で犯人がわかったのよ。 あなたは無駄じゃなかったの。 |
霊夢
いや、犯人は判らないけど。 取り合えず、あの屋敷の中にいる。 |
魔理沙 まぁ負けたんだから仕様が無い。 帰って寝る。 |
起きたら朝になっている事を祈るぜ。 |
紫 永遠にお休みなさい。 |
霊夢 まぁ、風邪ひかないようにね。 |
Stage 5
穢き世の美しき檻
「穢き所に、いかでか久しくおはせん。」
そういうと閉ざされた扉は一枚残らず開き――
BGM.シンデレラケージ 〜
Kagome-Kagome
地上の兎 因幡 てゐ Tewi Inaba 種族:妖怪兎 能力:人間を幸運にする程度の能力 |
狂気の月の兎 鈴仙・U・イナバ Reisen Udongein Inaba 種族:月の兎 能力:狂気を操る程度の能力 |
? 遅かったわね。 |
全ての扉は封印したわ。 もう、姫は連れ出せないでしょう? |
霊夢 犯人はこいつかしら? |
紫 さぁねぇ。取り敢えず倒してみたら? ここに居るはずだし。 |
狂気の月の兎 鈴仙・U・イナバ Reisen Udongein Inaba |
鈴仙 何だ、妖怪か。 |
そうよね、ここまで来れるはずが無いし。 心配して損したわ。 |
霊夢 私はまだ人間よ。 |
鈴仙 人間ならなおさらだわ。 |
紫 一体、何を心配していたのかしら? こんな悪さしておいて。 |
鈴仙 悪さ? んー、地上の密室のこと? |
霊夢 なの? よく分からないけど。 |
紫 満月の事よ。 よく分からないけど。 |
鈴仙
ああ月の事? それはね、私の師匠、 永琳の取っておきの秘術。 |
この地上を密室化する秘術なの。 判るかしら? |
霊夢 判る訳が無いわ。 |
? ううん。 そんなんじゃ人間には判らないわ。 |
それに、満月を無くす程度の術。 取っておきでも何でもない。 |
紫 霊夢。 こいつが犯人よ。匂いがする。 |
霊夢 そう? 私の勘はなんだか……。 |
紫 さぁ、この歪な月を元に戻して もらいましょうか! |
? ……それは、まだ早いわ。 今、この術を解く訳にはいかないの。 |
ウドンゲ。 荒事と狂気は全てお前の仕事でしょ? |
ここは任せたわ。 |
鈴仙
お任せください。 閉ざされた扉は一つも空かせません。 |
霊夢
逃げたって一緒よ。どうせ、こいつを 倒して追う事になるんだから。 |
紫 そうねぇ。それにこいつ倒しても 満月は戻らなさそうねぇ。 |
鈴仙
ふん。最近、戦える相手が 居なかったから丁度いいわ。 |
BGM.狂気の瞳 〜 Invisible Full Moon. |
鈴仙
あなた達に全て見せてあげるわ。 月の狂気を! |
霊夢 月の狂気? |
鈴仙
月に来た人間を狂わせた催眠術。 あの人間は弱かったわ。 |
紫 こいつ。危なそうね。 |
鈴仙 月は人を狂わすの。 |
そう、月の兎である私の目を見て 狂わずに居られるかしら? |
霊夢 さぁ、さっきのを追うわよ。 |
紫 さっきのは何処に入っていったのかしら? 扉が多すぎて判らないわ。 |
鈴仙
さっきの、……って、師匠をさっきの 呼ばわりしないで。 |
紫 犯人はこの奥に居るわ。 |
霊夢 犯人が自殺する前に捕まえるのよ。 |
鈴仙 自殺しないし、犯人って……。 |
霊夢
うるさい白兎。 その辺で皮引ん剥くわよ。 |
Final
姫を隠す夜空の珠
永い永い廊下。この廊下は何者かが見せる狂像か。
近すぎる月の記憶は、妖怪には懐かしく、薄い物だった。
BGM.ヴォヤージュ 1969
月の頭脳 八意 永琳 Eirin Yagokoro 種族:月人 能力:あらゆる薬を作る程度の能力。天才。 |
? ふふふ。 |
無事ついて来てるようね。 |
紫 この廊下はおかしいわ。 いくらなんでもこんなに長い筈がない。 |
霊夢 外が見たことが無い世界になってる! |
霊夢
長い廊下ももう終った見たいね そろそろ観念したらどう? |
? あはははは。 貴方達は愚かねぇ。 |
紫 ほら、馬鹿だって。 神社で巫女なんかやってるから。 |
月の頭脳 八意 永琳 Eirin Yagokoro |
永琳 もうすぐ朝になる。 |
そうなれば、もう満月は返すわ。 |
霊夢 あら、聞き分けいいじゃない。 |
永琳 もう術は完成しているの。 |
何人たりとも姫を連れ出す事は出来ない。 |
紫 姫? 姫なんて最初から興味は無いわ。 |
霊夢 私達は満月さえ戻ればそれでいいの。 |
永琳 心配しなくても、朝が来れば 元に戻すわよ。 |
霊夢 そうはいかない。 |
私達は、朝が来る前に満月を 取り戻しに来たんだから。 |
永琳 せっかちねぇ。 |
でも、私達が今居る場所。 何処だか判るかしら? |
霊夢 ?? |
永琳 ここは偽の月と地上の間。 |
さっきの永い廊下は、偽の月と地上を 結ぶ偽物の通路。 |
貴方達は偽満月が生み出した幻像に 騙されてここまで来たのよ。 |
霊夢 で? だから何よ。 |
永琳 貴方達には戻る術があるのかしら? |
紫 そうねぇ。 それは貴方を倒してから考える事。 |
焦る事はないわ。 |
永琳
まんまと私の術に嵌る奴が、どうして 私に敵うと思うのか不思議だわ。 |
まぁ、私も鬼じゃないし。 |
まぁ、朝までなら遊んであげるわよ。 |
霊夢 よく分からないけど。 |
こいつを倒せば万事解決? |
紫 そんなだから馬鹿って言われるのよ。 |
でも大正解。 |
博麗霊夢の言う事は全て正解よ。 |
永琳
今頃、地上人も月に辿りつけないで 永遠に彷徨っていることでしょう。 |
月の民も同じ。 |
これで月の民も地上に来れないはず。 |
これが私の最大の秘術の一つ。 地上は大きな密室と化したのよ。 |
紫 さっきの兎といい。 狂ってる奴が多すぎね。 |
霊夢
さぁ、紫。 こんな奴さっさと倒して、地上に帰るわよ。 |
永琳 あら、遊んでいく気になったみたいね。 |
あいにく私は、永遠に遊ぶ力は持って いないけど……。 |
それでも、朝まで遊ぶこと位は出来るわ。 |
紫 永遠に遊んでみたい物ね。 でも、それはまたの機会にでも……。 |
BGM.千年幻想郷 〜 History of the Moon. |
永琳 さぁ、幻想郷の世明けはもう目の前にある! |
? 何遊んでるのよ! |
永琳、私の力でもう一度だけチャンスをあげる。 |
これで負けたらその時は……。 |
そこの人妖! |
私の力で作られた薬と永琳の本当の力、 一生忘れないものになるよ! |
BGM.ヴォヤージュ 1970 |
NORMAL ENDING No.5 |
Final B
五つの難題
解決不能な五つの難題。
しかし、長い年月と幻想の力は、それらの問題を
解くのに十分だった。
BGM.ヴォヤージュ
1969
永遠と須臾の罪人 蓬莱山 輝夜 Kaguya Houraisan 種族:月人 能力:永遠と須臾を操る程度の能力 |
目に見えるものを追う(FinalA) > 勘を信じる(FinalB) |
霊夢 さぁ、さっきのを追うわよ。 |
紫 さっきのは何処に入っていったのかしら? 扉が多すぎて判らないわ。 |
霊夢 紫。 ほら、あそこの扉……。 |
鈴仙 ああまずい! 封印が間に合わなかったわ。 |
紫 犯人はそこかしら? |
霊夢 私の勘がそこだって言ってるわ。 いくわよ。 |
鈴仙 ああ、師匠にしかられるぅ。 |
永琳 ああもう。 |
こっちに来させちゃ駄目だって言ってるのに。 |
紫 霊夢。 こいつの言っている意味、わかる? |
霊夢 ええ、こっちが正解って事でしょ? |
紫 久々の満月が……。 |
? そう、地上から見た本物の満月よ。 |
それにしても人間と妖怪……。 今日は珍しい客が来ているわね。 |
紫 あんたは……。 一体何者よ。 |
永遠と須臾の罪人 蓬莱山 輝夜 kaguya Houraisan |
輝夜 私は輝夜。 |
でも、あなたが先に名乗ってないのに。 質問してきた事には怒らない。 |
紫 その程度で恩を着せようなんてのは甘いわ。 |
輝夜 誰もそんな事言っていない。 |
最近、永琳が屋敷の外に出させて くれないのよ。 |
だから、たまのお客様は大切に扱うわ。 |
霊夢 弾のお客様? |
紫 弾幕馬鹿みたいな言い方しないの。 |
輝夜 人間に宿るは儚い霊(たま)。 |
その人間が住むのは大きな球。 |
そして、貴き民が住むのは……、 |
後ろに見える狂おしい珠。 |
紫 で、私達が避けるのは、 |
霊夢 美しき弾、っと。 |
輝夜
人の台詞を取らないの。 こっちの方は怒るわよ。 |
霊夢
ほら、先が読める台詞は、言わなく でも伝わるからいいの。 |
何せ、私達は弾のお客様だもんねぇ。 |
輝夜 全くもう、せっかちねぇ。 |
焦らなくても見せてあげるわよ。 |
本当の月が持つ毒気を! それと、私からの美しき難題を! |
紫 本当に暇そうね……。 待ち構えて遊び相手を探していたの? |
輝夜 って、折角決まった所で水をさす〜。 |
今まで身を隠していたから余り外に 出れなかっただけよ。 |
でも、今日はその分遊ばさせてもらう。 |
霊夢
まぁいいけどね。 もう満月は元に戻った見たいだし。 |
後はけじめとして、犯人を懲らしめれば いいだけよ。 |
輝夜
あいにく、本物の満月はここでしか 見えないよ。 |
霊夢 なんだってー! |
って言うほどでもないけど。 どうせ懲らしめるし。 |
輝夜 さぁそろそろ、心の準備は出来たかしら。 |
紫 出来てない。 |
霊夢 出来てない。 |
輝夜
今まで、何人もの人間が敗れ去って いった五つの問題。 |
BGM.竹取飛翔 〜 Lunatic Princess |
輝夜 貴方達に幾つ解けるかしら? |
輝夜 なんて事! |
そう、夜を止めていたのは……、 |
貴方達だったのね。 |
BGM.ヴォヤージュ 1970 |
輝夜 貴方達が作った半端な永遠の夜なんて…… |
私の永遠を操る術で全て破って見せる。 |
夜明けはすぐそこにあるはずよ。 |
どう? これで永夜の術は破れて、夜は明ける! |
GOOD ENDING No.1 |
Extra
蓬莱人形
満月の下の、草木も眠る丑三つ時。
人間と妖怪の肝試しは、いったい何を恐れる?
最大の大罪の犠牲者は、いったいどこに居る?
BGM.エクステンドアッシュ 〜
蓬莱人
歴史喰い 上白沢 慧音 Keine Kamishirasawa 種族:ワーハクタク 能力:歴史を食べる(隠す)程度の能力と、歴史を創る程度の能力。 |
慧音 待っていたぞ。 |
満月の夜にやってくるとはいい度胸だ。 |
霊夢 これが肝試しの肝? |
慧音 あの人間には指一本触れさせない! |
蓬莱の人の形 藤原 妹紅 Huziwara no Mokou 種族:人間 能力:老いる事も死ぬ事も無い程度の能力 |
霊夢
なんだったのかしら。 確かに妖精たちが騒いでいる様だけど……。 |
? 今夜の月は、また一段と強い。 |
妖の者が騒ぐのも無理が無いわね。 |
こんな夜に出かける馬鹿者も居るんだねぇ。 |
霊夢 誰? |
? お前だよ。 |
霊夢 いや馬鹿者の事じゃなくて。 |
紫 馬鹿者ってところは認めるのね。 |
蓬莱の人の形 藤原 妹紅 Huziwara no Mokou |
妹紅
私はずっとここに住んでいる人間。 今ここに居るのは馬鹿だからじゃないよ。 |
紫 人間? 人間ねぇ。 |
霊夢 この竹林の持ち主か何かかしら。 |
妹紅 で、目的は何? お馬鹿さん。 |
霊夢 肝試し。 |
紫 肝とか色々試し。 |
妹紅 なんと肝試し! |
ああ、何時から人間はこんなに馬鹿に なったのかしら? |
こんなに狂おしい満月の丑三つ時に、 |
こんなに妖怪が沢山出る処まで来て、 |
事もあろうか肝試し! |
妖怪に殺されなかったのが不思議ね。 |
それに死んだら、妖怪達に生き肝を 喰われる肝試しなんて―― |
紫 言われ放題よ。 霊夢、何か反撃しないの? |
霊夢
いやまぁねぇ。肝試しったって、 輝夜がほれいけ、やれいけって言うからさぁ。 |
妹紅 今なんて? 輝夜って言った? |
霊夢 言ったっけ? |
紫 か・ぐ・や、言ったわ。 |
妹紅 むきー! 肝試しなんておかしいと思ったら、 |
やっぱりあいつの仕業なのね。 |
そうか、今度はこいつ等をけしかけて 私を始末しようとしているな? |
あいつったら、いっつもいっつも私を 始末しようとして! |
全く、こんな不便な体にしたのは あいつじゃないの! |
霊夢 なんか、一人で盛り上がってるわね。 |
紫 ほら貴方も便乗しないと損よ。 |
妹紅
ふん、輝夜の使いがどれほどのもん なのか見せて貰おうか。 |
あいつが遣したって事は、あいつよりは 強いんでしょ? |
紫 強気な人間ね。私みたいな妖怪相手に そこまで強気な人間なんて、 |
3人位しか知らないわ。 |
霊夢
でも、人間相手に戦うのはちょっと 気乗りしないわね…… |
紫 何言ってるの。 魔理沙は余裕でのして来たじゃないの。 |
妹紅 私を普通の人間だと思うな。 |
私は死なない。絶対に死ぬ事が無い。 あのにっくき輝夜の所為で。 |
そうよ、いくらあいつが私を始末しようと しても、どだい無理な事。 |
あいつはそれが判ってて使いを遣して来る。 腹立たしいにも程があるわ。 |
紫 ほら、霊夢。 また乗り遅れてるわよ。 |
霊夢 よく分からないけど。 |
死なないって事は、 思いっきりやってもいいって事? |
紫 中正解ね。 絶対に死なないのが自慢みたいだし。 |
妹紅
思いっきりやらなきゃ、 貴方の人生ゲームオーバー。 |
もう戻り橋にも戻れない、 一方通行の丑三つ時。 |
BGM.月まで届け、不死の煙 |
妹紅
お望みどおり。 貴方達の肝、試させて貰うわよ。 |