春 | |
の | |
湊 | |
に | |
舟 | |
の | |
影 |
BGM.春の湊に
|
|
あの船はあちこち行ったり来たりしている みたいだけど…… |
|
ただ遊弋しているだけとも言い難いですわね さっきは私を追っていたみたいだった |
|
君を追いかけてなんていないよ |
ナズーリン Nazrin |
|
宝の反応を捜していたんだ |
|
きゃっ ネズミネズミ |
|
……って どうやらがっかりな結果になったみたい |
|
宝の反応は、君のようだ こんな所に人間がいるもんだから |
|
どういう事? もしかして、私を捜していたの? |
BGM.小さな小さな賢将
|
|
そんな事あるもんか |
|
私の子ネズミ達が人間に反応して困るんだ 食欲旺盛だからね |
|
ネズミが人間を食べる? |
|
あははは〜 そんな馬鹿な話が |
|
あるんだな。それが |
|
君は、変わった人間だね ネズミの恐怖を知らないなんて |
|
ふむふむ 幻想郷のネズミは人間を食べる、と |
|
人間もネズミを食べるようになれば 良いって事よね |
|
…… |
|
無いなぁ それは微妙だよねぇ |
雲 | |
に | |
潜 | |
む | |
一 | |
つ | |
眼 | |
の | |
化 | |
生 Stage 2 春の雲 |
BGM.閉ざせし雲の通い路
|
|
ちょっと待ってよ〜 |
|
はい、何でしょう |
|
うらめしやー |
|
…… |
|
人間は妖怪になめられていると言う事かしら |
|
うらめしや? |
|
はいはい 表は蕎麦屋 |
多々良 小傘 Tatara Kogasa |
BGM.万年置き傘にご注意を
|
|
……私を見て驚かないの? |
|
今は、部屋の中で小さなヘリコプターを 飛ばせる時代 |
|
今更傘が飛んでいようが そんなもんで今の人間が驚くもんですか |
|
なんと、わちきが時代遅れともうすか |
|
そのキャラ作ってるでしょ? まぁ作ってなくても化け傘は時代遅れですけど |
|
大体、その傘なんなのよ 茄子みたいな色してさぁ |
|
しくしく 頑張って妖怪らしくしようとしてるのにねぇ |
|
ちょっとデザインが悪かったからって 捨てられて…… |
|
頑張って捨てた人間に見返してやろうと 妖怪にまでなって…… |
|
あ、あの、もし? 何か気に障るような事を言いましたか? |
|
いいのよ こうして妖怪は寂しく消えていくの |
|
あ、ああ、そんな意味で言ったんじゃなくて…… |
|
ただ、私が友達からそんな傘を渡されたら 断って雨に濡れて帰るかな〜なんて |
|
酸性雨にうたれて溶けてしまえ! |
|
ああ、うらめしい |
|
ネズミだけでなく 傘にまでなめられているなんて |
|
末期的ねぇ 人間の尊厳はどこに…… |
|
ちくしょう! こうなったら神社に降りて暴れてやる |
|
あら、自傷行為はいけないわ |
|
本格的に退治されてしまうわよ |
高 | |
速 | |
の | |
廃 | |
墟 | |
と | |
巨 | |
人 Stage 3 高速浮遊艇 |
BGM.スカイルーイン
|
|
妖精やら人間やら有象無象が 寄ってたかって……宝物庫狙いなの? |
|
え? 宝物庫ですって? |
|
問答無用! 賊の類に掛ける情けは無し |
|
いやはや、あの拳を見て逃げ出さない 人間がおったとは…… |
|
そうです 人間だってやるときはやるんです |
|
ああ、逃げないで |
|
何が目的なのかしら 宝物? それとも姐さんの力が目的? |
|
調査です きっとアカデミックな |
|
あかでみっく? |
|
ああ、学術的という名目で 遺跡を荒らして廻る賊ね |
|
……まあ そうなのですか? |
雲居 一輪&雲山 Kumoi Ichirin & Unzan |
|
私はここの宝を守っているのです そういった輩から |
|
それはご苦労様です |
|
そういった輩に貴方も入っていますよ |
|
私はアカデミックな視点で調べたいだけで…… |
|
同じだってばさ ただの賊の癖に |
|
……え? 何だって、この巫女が……? |
|
貴方が飛宝の破片を集めているって 雲山が言っているわ |
|
飛宝の破片? |
|
ごめんなさい、貴方を見誤っていたわ |
|
妖精に持って行かれた破片を集めてくれたのね そうとは知らずご無礼を…… |
|
え? え? どういう展開なの? |
BGM.時代親父とハイカラ少女
|
|
後は大人しく、その飛宝を渡してくれれば 悲願が達成できる! |
|
素晴らしいわ 今の世にもこんな人間が居たなんて |
|
飛宝……? |
|
もしかしてPとか点とか書いてあった 札の事ですかね |
|
集めた飛宝を持ったまま 中にお入りくださいませ |
|
それで、姐さんが復活するのです |
|
あれ? 入って良いの? |
|
入っちゃおっと |
聖 | |
輦 | |
と | |
不 | |
吉 | |
な | |
船 | |
長 Stage 4 聖輦船内部 |
BGM.幽霊客船の時空を越えた旅
|
|
これは一体……? |
|
空を飛ぶ船だからもっとメカメカしい内装を 想像していたのですが…… |
|
何か古くさい廃屋みたいね |
|
もっと準備して本格的に調査を開始しないと 駄目そうだわ |
BGM.キャプテン・ムラサ
|
|
誰か居るの? |
|
わ! びっくりした |
|
あら、人間? しかも飛宝を持ってきてくれたなんて |
|
飛宝? さっきの妖怪もそんな事言ってたわね |
|
それって何なのですか? |
|
封印された聖を復活させる為の宝物です |
|
ネズミに探させていたのですが…… 一体何処で何をしているのやら |
|
ネズミ……何処かで見たような…… |
|
あ、人間を食べようとしたあの妖怪? |
|
あー、人間を馬鹿にして腹立つ奴だったわねー |
ムラサ船長 Captain Murasa Minamitsu |
|
あ、申し遅れました 私は村紗、この聖輦船の船長です |
|
貴方の持ってきた飛宝は歓迎しますが |
|
この世界に未練ある人間の乗船は お断りしています |
|
え? 私はただ調査しに来ただけですが |
|
その飛宝を置いてさっさと下船するよう お願いします |
|
もしかして、また人間が馬鹿にされている というのかしら? |
|
これはいけないわ! |
|
霊夢さん達がチャランポランやってるから 舐められるんだわ! |
|
もしかして…… |
|
下船する気は無いとでも言うのでしょうか? |
|
貴方を倒して人間の尊厳を取り戻すわ! |
|
それは丁度良かったです |
|
私も、その飛宝を奪う為に戦うつもりでしたから |
|
強い…… 貴方は一体何者? |
|
私は東風谷早苗 人であり神である現人神です! |
|
妖怪には負けませんよ |
|
そう……神様でしたか では強いのも理解できます |
|
下船しろだなんて…… 騙して申し訳ございませんでした |
|
へ? |
|
本当は、飛宝を持って逃げられないように 挑発して時間稼ぎをしていただけなのです |
|
あ、そう? |
|
もうすぐ、目的地に着きますよ 無事に飛宝を持ったままね |
|
この船はもう戻れない さあ、貴方も魔の地の住人よ |
魔 | |
界 | |
の | |
赤 | |
黒 | |
い | |
封 | |
印 Stage 5 魔界(法界上空) |
BGM.魔界地方都市エソテリア
|
|
おや? 君も魔界まで来たのかい? |
|
あ、ネズミだわー! |
|
船長が探していたわよ? 何処ほっつき歩いているのかって |
|
え? そう? 実は船長達に内緒で 別の探し物を頼まれてたんだ |
|
探し物は、君が偶然手に入れた飛宝と もう一つは、この毘沙門天の宝塔 |
|
古道具屋で眠っていたのを、やっと見つけたよ 随分と吹っ掛けられたがね |
|
ふーん |
|
あ、思い出した 貴方、人間を食べるとか言ってたわね |
|
ここで成敗してくれるわ! |
|
面白い人間だ。この宝塔はご主人様の物だが どの位の光が出るのか試してみよう! |
|
こんな世界があるのですね…… |
|
船が何処を通ってきたのか判らないけど 何か、不穏な感じがする場所ね |
|
ここはもしかして、魔物の棲む世界……? |
|
そうです ここは魔界です |
|
え? 魔界? |
|
魔界は、その妖気の酷さから殆どの 生き物が住むのに適さない世界です |
|
しかし、一部の妖怪はここで修業し、人間は 魔法を覚える事が出来るのです |
|
貴方は一体? |
寅丸 星 Toramaru Syou |
|
私は毘沙門天の代理 聖の信仰を一身に受けていた者です |
|
ナズーリンが持ってきたこの宝塔と 貴方の持ってきた飛倉の破片が揃えば |
|
ここの封印を解く事が出来ます 聖への恩を返す事が出来るのです |
|
聖ってのは誰なの? |
|
聖は聖ですよ |
|
私の知る限り、最も慈悲の心を持ち 最も秀でた人間でした |
|
聖は魔界の力に手を出したが為に、愚かな 人間達によって封印されてしまったのです |
|
さあ、私と一緒に封印を解きましょう |
|
むむ、このままなし崩し的に封印を解く事に なるのかしら? |
|
…… |
|
ちょっと気になるわね〜 その聖って人がどんな人か |
|
でも、その前に…… 貴方が信用出来る妖怪とは限らないわ |
|
封印を解くのは私がやるわ その宝塔とやらも、私が奪ってやる! |
BGM.虎柄の毘沙門天
|
|
そうですか、封印が解ければそれでも 良いでしょう |
|
ただ、もし貴方に邪心があるのであれば |
|
魔界に有りてなお輝き続けるこの法の光── |
|
この毘沙門天の宝塔の前に ひれ伏す事になるでしょう! |
|
負けた…… 貴方は間違っていない |
|
よし! 貴方の宝塔を貸して! |
|
一時的にですよ? 持っていったりしないでくださいよ? |
|
これとこれでこうやって…… |
|
…… |
|
って、どうやって封印解けばいいの? |
|
そこはですねー ここをこう捻るのです |
|
わ、封印が消えていく…… |
|
ああ、数百年ぶりに法界に風が吹くわ! |
八 | |
苦 | |
を | |
滅 | |
し | |
た | |
尼 | |
公 Stage 6 法界 |
BGM.法界の火
|
|
結局封印解いちゃった |
|
まあ調査目的だから良いわよね |
|
ここに封印されていた者をつぶさに調査して 帰れば諏訪子様も喜んでくれる筈 |
|
ああ、法の世界に光が満ちる |
|
貴方がこの世界を開放してくれたの? |
|
あ、もしかして貴方がここに 封印されていたという? |
|
ええそうです |
|
貴方は一体何者なの? |
聖 白蓮 Hiziri Byakuren |
|
私の名は白蓮 |
|
遠い昔の僧侶です |
|
貴方は見たところ巫女の様ね? |
|
ええ、そうです 実は巫女でもあり神様でもあります |
|
神様……? 神様が何故、こんな魔界の奥に? |
|
空を飛ぶ船を調べていたら、気が付いたら こんな処にいたのです |
|
はあ、こんな処って ここの封印をどうやって解いたのです? |
|
ここの封印は特別な物でした |
|
私の弟、命蓮が残した唯一の宝の力で 封印されたのです |
|
その宝も地中に埋められ、もう手も足も 出せなかった |
|
貴方はどうやって封印を解いたの? |
|
いやまあ、ちょっとした成り行きで |
|
ただ者じゃないわね、貴方 |
|
勿論、神様ですから |
|
それで妖怪達が貴方を復活させようと していたのですが、それは何故ですか? |
|
妖怪ですか……もしかして虎だったり 船幽霊だったり、入道だったりしました? |
|
んー多分 |
|
そうですか……あの方達はまだ私を 慕ってくれていたのですね |
|
もう、千年以上も力になってあげられ なかったというのに |
|
妖怪の力に? |
|
あなたは妖怪の味方なの? |
|
味方……と言えば味方ですが 人間の味方でもあります |
|
私が目指すのは人間と妖怪の平等な世界 |
|
神様の貴方には判らないかも知れないですが 虐げられてきた妖怪の復権を望んでいるのです |
|
平等? 虐げられてきた? |
|
どちらかというと、人間の方が 虐げられてきたわ! |
|
私は人間の復権を望みます! |
BGM.感情の摩天楼 〜 Cosmic Mind
|
|
そうですか、現人神と意見が合わず残念です |
|
ただ、私は妖怪と神の区別をしていない |
|
健全な神様は妖怪を退治するのです! |
|
私が寺に居た頃と人間は変わっていないな |
|
誠に独善で、土豪劣紳であるッ! いざ、南無三──! |