ボールも何も対して興味は無いが、自分が選んだ都市伝説が、果たしてみんなに通用するのか。 それだけが彼女の興味だった。 「今、貴方の後ろに居るの」 彼女はこの台詞を言いたくて旅にでる。 |
メリーさんって知ってる? |
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もしもーし 今、貴方の後ろにいまーす |
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地下にも都市伝説が 広まってるって聞いたけど |
神秘! 結界の巫女 博麗霊夢 |
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後ろにいまーす |
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それ、何? 後ろにいるって言ってるけど 目の前に居るし |
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怖がれって 言ってんのよー! |
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知らないの? メリーさん |
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うーん ちょっとよく判らない |
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貴方の後ろー…… |
論点はそこでは無い |
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あんまり有名じゃ無いの かなー、メリーさん もうちょっと有名だと 思ってた ねえ、そこんところ どうなんです? |
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わあ、誰か居た! 急に出てくるなよ ビックリするなぁ |
恐怖! 学校の魔法使い 霧雨魔理沙 |
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最初から居たもん 貴方の後ろにー! |
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貴方の後ろー…… |
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そうか、直訳するとメリーさんの 知名度が低くて誰も怖がってくれ ない、って言ってるのか |
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……うん |
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それは違うな みんな電話という物が よく判っていないだけだ |
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ハッ! そうだったのか |
黒電話じゃない奴でお願い |
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そうか電話がよく判らないとは 盲点だったわねぇ 何か別の都市伝説考えようっと |
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ん? さっきから誰かが見ている? |
思欲せよ! 願いを叶える仙人 茨木華扇 |
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はーい 見てまーす |
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気のせいね |
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はーい気のせいでーす |
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そんな訳無いでしょ! 無意識の妖怪って 恐ろしい奴ね いつの間にか近くに 居るんだから 今大切なときなんだから 邪魔しないでね! |
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ところで電話って 知ってます? |
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はい? まあ話だけなら |
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良かったー じゃあ貴方なら 怖がってくれるよね これから貴方の後ろに 行くよ! |
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貴方 惚けてるのに無駄に強い…… |
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やったやった 怖かったでしょう? |
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はいはい 怖かったですよ |
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やったあ メリーさんも捨てたもんじゃ 無かったわー! |
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しまったこんな タイミングでか……! |
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ん? 何が起きてるのかしら |
最初の邂逅は奇跡のタイミング |
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ここは…… 神社か やったあ! あの狸の言うとおり 正式に幻想郷に入れた っぽいわね |
深秘を曝け! 秘封倶楽部初代会長 宇佐見菫子 |
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今日は確認取れれば十分十分 一旦帰って準備してこよう |
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もしもーし |
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ん? 何か聞こえた? |
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もしもーし 聞こえますかー |
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……もしかしてスマホから 聞こえている? ここは圏外よね ……気のせい気のせい まさか携帯が繋がる 訳無いし…… |
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もしもーし ねえ電話に出てよう |
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そういえば そんな怪談あったっけ? 圏外なのに電話が 掛かってきて 「今貴方の後ろにいるの」 とか何とか言っちゃう奴…… |
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もしもーし 私、今ねぇ 貴方の目の前にいるの! |
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うわあ! で、出たー! おーばーけー! |