麓の森の上空は真夏なのね
山の上は秋だったのに……
力が有り余るー
(神に近づく蝶の妖精 エタニティラルバ)
ねえねえ、そこの黒い人ー 夏を楽しんでるー?
暇ならその無駄に大きな団扇で私を涼ませてー
季節もおかしいけど妖精のテンションもおかしいわね
事件に関係なさそうだから一思いに吹き飛ばせてあげましょう
わーい、戦いだ戦いだ!真夏の戦争だ!
(戦闘)こうさーん
事件と関係無いところでエネルギーを使ってしまった
しかし……貴方妖精にしては強いのね
力が有り余って仕方が無いの 今なら新世界の神にでもなれそうだわ
昆虫型妖精の暴走……まあ夏の暑さにやられた感じかな
記事になるような事件じゃなさそうね 異常気象の取材を続けましょう
なんだ?天狗がなんでここにいる?
ここには入ってこない約束だべ
おっと申し訳ございません
ここは貴方の縄張りでしたね
判ってて入ってきたと言うのなら問題だなぁ
ちょっと取材に来たのです
この辺が秋の中心地みたいですので是非お話をお聞かせ頂きたいと思いまして
この山はあんたらだけのもんじゃない
不可侵条約を一方的に破棄するのが天狗達のやり方だって言うんだな
じゃあ、うちはうちのやり方でお前を迎えてやるぞ
山姥のやり方でな!
ちょっと止めましょう
私は貴方に対し何の敵意もありません
山姥の脱依存主義も自然主義も尊重しておりおります原文ママ
私が来た理由はお話を伺いたいだけなんですが……
あっはっは 天狗という奴はやはり喰えない奴だな
人を武力で脅しておいて何がお話を伺いたい、だ
気に入った 取材でも何でも受けてやる
有難うございます
私は知っていましたよ 貴方達が本当は友好的な種族であることも
それで、取材ってなんだべ
今年の秋に関して何か気付いたことはありませんか?
んー、何かあったのか?
見事な桜ねぇ
神社は暴走した妖精や妖怪に乗っ取られているようだけど
霊夢は留守かな のんきなもんね
天狗のブン屋ー?
暴力取材ならお断りだよ今すぐ出て行ってー
あれ?貴方は一体……
(神仏に心酔する守護神獣 高麗野 あうん)
私は神社の守護神 コマ犬の高麗野だよ
巫女が留守の間は私が侵入者を追っ払っているの
コマ犬、ですか そんなの居ましたっけ
まあ良いです お話をお聞かせ頂きたいのですが
おーい、侵入者を追っ払っているって言ってるでしょ
それ以上神社に居るつもりなら容赦しないよ!
では、この異常な桜についてお話をお聞かせ下さい
暴力はんたーい
暴力で追い返そうとした奴が何を言っているんですか
しょうがないなぁ
で、桜の話だっけ?それとも暴走している妖精の話?
ええ、何か諸々の異常に関して気付いたことが無いかと
残念ながら私が知っていることは何も無いの
本当に無いわ
そうですか……確かにそんな顔してますね
先の山姥も何にも情報を持っていなかった
こんな幻想郷を覆うくらいの異変なのに全く首謀者の手掛かりが無いなんて
思ったより陰湿で用意周到な奴の仕業かも知れないわね!
千年に一度の大スクープの予感だわ!
ほー、天狗……?
はいそうです
お話をお聞きしたいのですがお時間宜しいでしょうか?
だめだめだめ アンタは同類だが天敵じゃないか
天狗が出てくることも想定していたが、驚いたわー
力がみなぎるわー!
何故だろう、こんなに魔力が溢れ出てくるなんて……
誰でも良いからこの力を試したい!
あはは、間に合った お前の相手はこいつよ
それじゃあ僕は帰るねー
あ……逃げやがった
でも、目の前の貴方も気になります ついでにお時間宜しいでしょうか
良いよ!相手してくれるんだー!
相手?インタビューですよね
そうじゃないわ 吹雪が私に力を与えてくれているみたいで
その力をぶつける相手よ!くたばれ天狗野郎!
この理由なく好戦的な感じ……
嫌いじゃない!むしろフェイバリット!
さて、インタビューに入ります
……しくしく はい
さっき貴方は、吹雪に力を得たと言っていましたが、どういう意味でしょう
悪いけど私も判らないわ 妙に力が湧いてくるというか
普段はこんな好戦的じゃあないのよ ひっそり暮らしたい派なのよ
それに……なんだか背中が熱いわ
……さっきいた竹を持っていた奴は誰?知っている人?
え?竹を持っていた奴?誰の事?
戦う前に貴方の後ろで踊っていた奴です
嘘だぁ、いくら吹雪が酷くても踊っていたら判りますよー
……お地蔵さんは注意力が無い、と
さっきから背中が熱くて後ろを何度も見たけど誰も居なかったし
背中が熱いなら……医者に診せなさい それとも石工の方が良いのかな
ん?貴方、背中に扉があるわよ!
え?何それ怖い
さっきの奴が、背中に取り憑いて力を与えていると見た!
もしかしたら、今まで戦った奴の背中にも潜んでいたのかな
虎穴に入らずんば虎児を得ず!中は……広そうね
やっと重要参考人を見つけました!それではインタビューをします
あれ!?さっきの天狗!?何故ここに……
地蔵の背中からやってきました
あちゃー、扉開きっぱなしだったかー
もー、舞ったらおっちょこちょいなんだから
天狗なんて引き入れてどうするのよ 絶対に怒られるわよ
いやー失敗したわー でも僕は怒られるとは思わないよ
僕らの仕事は天狗を退く事だからね ここでやっつけちゃえば良い
天狗を退く仕事……?貴方達は一体何者なの
僕は丁礼田舞
私は爾子田里乃
障碍神の二童子よ
本質的には貴方と同類ね
障碍神……何か聞いた事があったような
障碍神……それは物事を妨げる神である
(♪クレイジーバックダンサーズ)僕らは天狗と同じような行動を取って、天狗を退くのさ
私はただ、四季異変のインタビューしたかっただけですが
戦うしかなさそうね
その場がここになるとは予想外だったが……
とくとみよ!僕らが二童子の秘儀「天狗怖し」だ!
ふん、口ほどにも無い
これは手強い 予想外だな
舐めてかかってたわね
私は貴方達と敵対する必要がありません
四季異変の情報さえ手に入れば良いのですが
四季異変?あれは僕達がやったわけじゃ無いよ
え?そうなんですか?
私達は背後で踊ることで対象の潜在能力を無限に引き出せるの
僕達は普段隠れていた奴らの可能性を見つけだすと共に
天狗の様な障碍の妖怪を退くという使命を受けてやったのさ
四季異変は私達の踊りの結果暴走した妖精や精霊、神霊達の仕業よ
メモメモ……つまり、まとめると
貴方達は使命を受けてあちこちの妖怪に力を与えていた
その副作用で妖精達が暴走して自然がおかしくなった……と
つまり四季異変の犯人は貴方達じゃないですか
ごめんちょっと待って
……え?……判りました
何?お師匠様から連絡?
お師匠様が私達を呼んでるわ
多分怒られると思う
げー!嫌だなぁ
(里乃&舞が何処かへと消える)
居なくなってしまった
四季異変を起こしている犯人は見つけることが出来たけど……
障碍神ねぇ……何か天狗の歴史で聞いた事がある気がするなぁ
さっきの二人にもっと話を伺いたかったのですが
何とも不思議な世界ですねぇ
地蔵の背中からこんなに世界が広がっているなんて……
あっはっは これは面白い!
後戸の国に天狗とはな!世も末か
本来、私達は天狗と同じ障碍を司る者だが住むべき場所は違う
天狗と同じ……?貴方は一体何者ですか?
(究極の絶対秘神 摩多羅 隠岐奈)
私は摩多羅 隠岐奈
後戸の神であり 障碍の神であり
能楽の神であり 宿神であり、星神である
色んな二つ名があるんですねぇ
ふっふっふ まあ天狗のお前なら判るだろう
こんなに多くの神格を持っている筈なんて無いと……
と言いますと?
嘘を吐いているはずだと思っているだろう?
ええ、まあ
あるいは、嘘は吐いていないけど本質は隠されている匂いがします
まあ絶対の秘神、これが本質かも知れないね
障碍の神……秘神……あ、思い出しました!
障碍の民の祖は二つに分かれ 一つは山に棲み、天狗となった
もう一つは仏の後ろに潜み人里に棲んだ それが障碍の秘神……
もしかして貴方は……!
何度も言っている 私がその障碍の神そのものである
色々な二つ名が存在するが一番本質を突いているのは何だと思う?
さっき、秘神が本質だと仰ってませんでした?
障碍の神とは天狗除けの神という意味でもある
つまり私は天狗をこの世から消す神だ
だから最初に笑ったんだよ 天狗が、天狗除けの国に入って来たんだから
まさに烏滸の沙汰!愚直に退け!天狗改め天愚の記者よ!
何だ、また来たのか
貴方のせいで私達が怒られたわ
即刻立ち去れい!薄汚い天狗めが!
(中ボス戦)
やあやあ 我こそは疾風の鴉天狗、射命丸文なり!
この度は天狗の未来を賭けて再び勝負を挑みにきたものである!
障碍の神、隠岐奈よ!出てくるがいい!
この間の天狗か
再び姿を現すとは良い度胸だな
この間は卑怯な罠で逃げられたけど今度は逃がさない
逃がさない?何をいう、逃げ帰ったのはお前だぞ?
背中の魔力を返して貰ったらお前は手も足も出せない状態で
お前は季節の扉に入って元の世界に帰ったんだ
逃げたのはお前だよ
……少しだけそんな気もしてました
貴方と戦っていたはずが、いつの間にか幻想郷に居たんでね
私が集めた季節の魔力は貴方に全て奪われて強制解放された
それ自体が強制退出の罠だと気付かずにね!
そうだ、だからお前に勝ち目は無い!何度やっても同じだよ
ふっ、そこまで判っていて私が無策でここに来る訳が無いでしょう
ほう?策、とな
私の背中の季節を見よ!
ほう……なるほど!お前は季節の隙間の魔力を集めてきたのか!
そうです 季節の変わり目の魔力だけを集めました
四季の生命力がもっとも失われこの世の魔が顕れる季節の隙間よ!
ふふふ、それを私が吸収して解放すれば天狗の魔によって自滅すると
黙っていれば判らなかったかも知れないのに、何故教える?
神ともあろう方が気付かないわけがないと思ったからです
それに貴方を滅しにきた訳ではございません
卑劣な罠に掛けたいのではなく貴方の罠を封じたいだけですから
ふっふっふ 正々堂々と勝負したいという訳か
良いだろう、その勇気に敬意を払って季節の魔力は使わないでやる
正々堂々と戦いたいというか取材をしたいだけなんです
天狗と祖先を等しくする障碍の神に
世間から疎外されてきた河原者の歴史と、これからを
良いだろう、お前が勝ったら取材でも何でも受けてやろう
幻想郷の縁起は我々、障碍の者を抜きにしては語れぬ
見よ!聞け!語れ!これが障碍の秘神の姿だ!
はぁはぁ まだやるか!
見事だ!もう十分、お前の強さは判った
勝負は私の負けだ
……いいえ、私の負けです
背中の魔力無しでは到底勝つことは出来ませんでした
そしてこの力は貴方の力です
背中の魔力を使う事前提の戦闘を見て
最初から貴方の掌で踊らされているかのようでした
確かにいつだって背中の扉を封じたり別の魔力を呼び出すこともできた
だが、私がそれをしなかったのはお前の勇気に敬意を払ってのことだ
私の掌の上だろうとお前の勝ちは変わらない
堂々とするが良い
ですよねー私の勝ちでいいんですよねー
じゃあ約束通り私の取材を受けてもらいます!
う、うむ
この度は何故こんな事をしたのですか?
あ、こんな事ってのは四季異変の事ね
うちの二童子もそろそろ解放してやりたくてね
その後継者を探していたんだ
可能性ありそうな奴らを広域で引っかけるために
ありとあらゆる奴の潜在能力を引き出させたのさ
妖精や精霊たちの潜在能力によって季節が少しおかしく見えただけ
なるほど、それで後継者は見つかったのですか?
まだだね いくつか候補はいるけど
でも、幻想郷全域に背中の扉を使うのはこれっきりにしておくよ
もう、十分伝わったと思うから
??では次の質問です
ちょっと待って、質問ってどの位あるの?
いくらでも出てくるわよ
今は闘いの直後で疲れている また今度にしてくれないか?
そうだ、今度は天狗の元に行ってやる
お前を見ていたら今の天狗に興味が湧いてきたよ
天狗さえ良ければ平和協定を結ぼうじゃないか
はあ、良いですが
ただし約束してください
私以外の取材を受けないでください
こんな大きなネタ他の人には渡しませんから
う、うむ